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岸田総理と野田大臣に手紙を出しました!

社会福祉経営全国会議は、岸田新政権発足にあたり、子どもの問題の解決に向けて、だれもが安心して子を産み育てられる社会的枠組みの実現の一環として、公的制度としての保育所経営の立場から窮状を訴える手紙を、岸田文雄内閣総理大臣と野田聖子少子化担当大臣宛にお送りしました。
ご報告とともに共有いただきますようお願いいたします。

謹啓

コロナ禍の夏がすぎ、清秋の気配にようやくほっと一息つくような今日この頃でございます。

第100代内閣総理大臣ご就任、まことにおめでとうございます。私共は、社会福祉法人経営の立場から、利用者と従事者の福祉を両立発展させるために発信を行っている一般社団法人「社会福祉経営全国会議」でございます。「分断から協調へ」の首相の理念に深く共感し、これまでと違った弱者へのまなざしで、国民多数の幸福を築く施策を実現してくださるものと、期待を膨らませております。

さて、本日は、日本国の礎でもあります子ども問題の解決に向けて、だれもが安心して子を産み育てられる社会的枠組みの実現の一環として、公的制度としての保育所経営の立場から、ぜひとも私共の窮状を訴えさせていただきたく、きわめて御多忙であることを重々存じあげながら、長いお手紙を書くことに致しました。

コロナ禍は、保育所保育があらゆる社会的労働の基礎の基礎をなしていることを、はからずも世間に広く示しました。保育所が閉まれば、その園児の保護者は仕事をすることができません。医療職であればなおさらのこと、仕事と家庭のはざまで、多くの場合母親たち(父親ではなく)が悩みぬきました。介護や教育、流通や食品など、コロナ禍でも止めることのできないエッセンシャルワークを支えるのも保育の仕事でした。

女性たちが安心して働き続けながら、ほしい人数の子を産み育てるために、保育所は必須の社会制度です。保育所にはいれて、かつその内容に満足できた母親は、キャリアを維持しながら3人、4人、5人と子どもを産むことができます。保育所の中は、世間とは違っていつもベビーブーム。第二子、第三子が同じ保育所に入れるかどうかで悩む妊婦であふれています。

これだけ重要な保育の現場ですが、保育士の賃金は相変わらず一般労働者の平均賃金よりはるかに安く、過酷で過密な長時間労働のため、保育士不足は依然として解決しません。このようになる根本原因が、国の定める「公定価格」と「最低基準」のあまりの低さにある、ということは、もとよりご存じのことでしょう。ここでは、その具体的な根拠を挙げ、これ以上の少子化に歯止めをかける保育政策の実現にお役立ていただけることを願って、別紙資料をお届けしたいと存じます。

どうかこの資料から保育現場の窮状をご賢察いただき、保育所職員の処遇や保育所配置基準、施設基準の大幅な改善に向けてご英断をいただけますよう、心よりお願い申し上げます。

末筆になりましたが、激務の中ご健康にくれぐれもご留意くださって、国民のためにご活躍していただけることを祈念いたします。

敬具

 令和三年十月吉日

一般社団法人 社会福祉経営全国会議

会長 茨木範宏

保育所経営者一同

岸田文雄内閣総理大臣様

 

謹啓

コロナ禍の夏がすぎ、清秋の気配にようやくほっと一息つくような今日この頃でございます。

野田聖子様におかれましては、岸田内閣の下での少子化担当大臣ご就任、心よりお喜び申し上げます。ご自身のご苦労を政治信条の糧として歩んでこられた歳月を陰ながら応援し、市井の痛みが分かる政治家として、いよいよご活躍くださることに全幅の信頼と期待を寄せるものでございます。

さて、私共は、社会福祉法人経営の立場から、利用者と従事者の福祉を両立するために発信を行っている一般社団法人「社会福祉経営全国会議」と申します。

本日は、日本国の礎でもあります子ども問題の解決に向けて、だれもが安心して子を産み育てられる社会的枠組みの実現の一環として、公的制度としての保育所経営の立場から、ぜひとも私共の窮状を訴えさせていただきたく、きわめて御多忙であることを重々存じながら、長いお手紙を書くことに致しました。

コロナ禍は、保育所保育があらゆる社会的労働の基礎の基礎をなしていることを、はからずも世間に広く示しました。保育所が閉まれば、その園児の保護者は仕事をすることができません。医療職であればなおさらのこと、仕事と家庭のはざまで、多くの場合母親たち(父親ではなく)が悩みぬきました。介護や教育、流通や食品など、コロナ禍でも止めることのできないエッセンシャルワークを支えるのも保育の仕事でした。そして保育は、女性たちの経済的自立の窓口として、ジェンダー平等のひそかな後ろ盾でもあり続けてきました。

女性たちが安心して働き続けながら、ほしい人数の子を産み育てるために、保育所は必須の社会制度です。保育所にはいれて、かつその内容に満足できた母親は、キャリアを維持しながら3人、4人、5人と子どもを産むことができます。保育所の中は、世間とは違っていつもベビーブーム。第二子、第三子が同じ保育所に入れるかどうかで悩む妊婦であふれています。

これだけ重要な保育の現場ですが、保育士の賃金は相変わらず一般労働者の平均賃金よりはるかに安く、過酷で過密な長時間労働のため、保育士不足は依然として解決していません。このようになる根本原因が、国の定める「公定価格」と「最低基準」のあまりの低さにある、ということを、野田聖子様はもとよりご存じのことでしょう。ここでは、その具体的な根拠を挙げ、今後の少子化担当相としての政策実現にお役立ていただけることを願って、別紙資料をお届けしたいと存じます。

どうかこの資料から保育現場の窮状をご賢察いただき、保育士の処遇や保育所配置基準、施設基準の大幅な改善に向けてご手腕を発揮くださいますよう、心よりお願い申し上げます。

末筆になりましたが、あなた様の清新な風が永田町に吹きわたりますよう、ご健康にくれぐれもご留意くださって、ご活躍されますことをお祈りいたします。

敬具

 令和三年十月吉日

一般社団法人 社会福祉経営全国会議

会長 茨木範宏

保育所経営者一同

野田聖子 少子化担当大臣様