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新型コロナ第6波への対応と真の処遇改善を求める緊急要望書を国へ提出しました!  

2月15日付で、新型コロナ第6波への対応と真の処遇改善を求める緊急要望書を内閣総理大臣をはじめ関係大臣、各省関係部局へ提出をいたしました。
コロナ第6波における感染拡大と福祉現場のひっ迫状況はこれまでにない過酷な事態を招いております。
取り急ぎ、現状をふまえた要望書としていますが、引き続き、4月の政府交渉に向けても要望を聞かせていただき議論してまいりたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。
 
【緊急要望】新型コロナ第6波への対応と すべての職員に対する真の処遇改善を求めます
 
提出先
内 閣 総 理 大 臣 岸 田 文 雄 
内閣府少子化対策担当大臣 野 田 聖 子 
厚 生 労 働 大 臣 後 藤 茂 之 
内閣府 子ども子育て本部  
厚生労働省 老健局 
厚生労働省 社会援護局 障害保健福祉部 
 
 

2022年2月15日

 

内 閣 総 理 大 臣  岸 田 文 雄 殿

内閣府少子化対策担当大臣  野 田 聖 子 殿

厚 生 労 働 大 臣   後 藤 茂 之 殿 

 

【緊急要望】新型コロナ第6波への対応とすべての職員に対する真の処遇改善を求めます

 

一般社団法人 社会福祉経営全国会議

〒543-0045 大阪府大阪市天王寺区寺田町2−5−6

TEL:06−6772−1360 FAX:06-6772-1376

 

 新型コロナ感染症第6波により、社会福祉事業はたいへんな影響をうけ、施設・事業所の経営の維持・継続が困難になっています。

 社会福祉事業は、パンデミックという緊急事態においても、社会と経済をささえる土台として、この2年以上にわたり職員の懸命の踏ん張りで事業を継続してきました。しかし、新型コロナ第6波で、子ども、利用者、職員の新規感染者と濃厚接触者が急増。施設の休所・休園が相次ぎ、その事業継続さえ困難な状況になっています。

 さらに、感染の急拡大で保健所業務がひっ迫したことで、公的なPCR検査も受けられない事態に陥っています。政府はこの対策として、エッセンシャルワーカーについては、抗原定性検査を併用しながら、職場への復帰を早める基準が示されましたが、抗原定性検査キットの市場供給が間に合わず、結果、施策が機能していないというのが現状です。また、重症化リスクの高い人を除き自宅療養するという国の方針により、入所施設においても陽性者の入院はかなわず施設療養となっています。この結果、中には施設内をレッドゾーン対応として、陽性者が陽性者を介護する「陽陽介護」という実態も生まれています。そして、陽性や濃厚接触で出勤できない職員が増加することで、長年の課題であった福祉職場の人手不足はさらに深刻化しています。

 保育園や生活介護事業所、就労継続事業所、放課後等デイサービスなどの通所施設でも、たび重なる自宅待機期間の変更に振り回されています。原則は、PCR検査も濃厚接触者判定も待機期間の設定も事業者判断に任せられた状態で、施設・事業所に過重な責任が押し付けられています。また、限られた職員で現場をカバーしながら対応しなければならず、福祉職員にとってたいへん大きな負担となっています。さらに介護・障害福祉の事業所では、長期間の休所による減収が予測されるなか、今後の経営を維持できるのかという不安定な状態にあります。そしてこれらの状況が、真に福祉サービスを必要としている利用者・家族の負担につながっています。

 こうした状況のもと、福祉職員の処遇改善として2~9月に臨時特例的な処遇改善補助金/交付金が支給されます。この賃上げ3%(9,000円)は、低賃金におかれた福祉職員の処遇を全額国費で少しでも改善するという意味では重要ですが、金額が一桁違うという問題、対象外事業や対象外職員の問題、そもそも全職員9千円アップは不可能なことなど、福祉経営者はその分配にたいへん苦労しています。さらに、介護・障害福祉事業所の場合、休所による減収がこの交付金算定の基礎になることで補助金/交付金の申請さえ難しくなることも考えられます。

第6波による急激な感染拡大で福祉現場・事業経営はこれまで以上にきびしくなっています。こうした現状を踏まえ、利用者・家族を守り奮闘する全職員に対する賃金改善を図るとともに、社会福祉事業を存続させるための支援を強化すべきです。私たちは、誰もが健康で文化的な生活を保障される、そのための社会福祉の拡充は公的責任で行うという憲法25条のもと、下記の要望の早急な実現を求めます。

 

********************************** 記 **********************************

1.保健所の機能不全を是正し、必要な人が無料のPCR検査等を確実に受けられる体制を早急に整備してください。

2.少なくとも、抗原定性検査キットは、現状、安定的な供給が難しいことから、国、または自治体が所有した上で必要とする事業所からの依頼に基づき、無償譲渡により配分してください。あわせて、公的なPCR検査を受けられず、事業所負担でPCR検査や抗原検査を行った場合、それに関連するかかり増し経費を全額公費で保証してください。

3.コロナ禍において社会福祉事業を維持・存続させるため、介護・障害福祉事業所にも利用実績に関わらず基本的な委託費が保障されている保育と同様の措置を講じてください。具体的には、新型感染症が蔓延する前の「事業運営報酬」(人件費・固定経費・一般管理費であって、総報酬の約8割)を全額公費で保証してください。

4.少なくとも、ショートステイ(短期入所生活介護・短期入所)や放課後等デイサービスなど報酬の特例措置が設けられていない事業にも、デイサービス(通所介護・生活介護)や就労支援B型のような措置を講じてください。

5.介護・福祉職員、保育士等への処遇改善については、現在の複雑な制度を見直し、事務手続等を簡素化するとともに、全ての事業所と全職員を対象に全産業平均水準までの賃上げが可能となる措置を、全額公費で講じてください。

6.少なくとも今回の補助金/交付額金は10月以降も全額公費負担で継続するとともに、対象事業を限定したり、処遇改善加算1~3を未取得の事業所を対象外とするルールを撤廃してください。あわせて、介護・障害の補助額に関しては、事務職やケアマネージャー/相談支援専門員などの間接支援に従事する職員も含めて算定する方式に、保育の補助額に関しては、人員配置基準に含まれない職種・人員も含めた実際の職員数に基づき算定する方式に早急に見直してください。

7.新型コロナ感染症の影響で、介護・障害福祉事業所が休所したり、利用者数が激減するなどして事業収入が大幅に減または無収入となり、処遇改善が困難な事業所が増えてきています。こうした問題を是正するため、臨時特例補助金/交付金の算出基準となっている総報酬額は実績値ではなく、コロナ以前の同月の実績値で算出できるという特例を早急に設けてください。

以上